キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか

キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか (幻冬舎文庫)

キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか (幻冬舎文庫)


やっぱり。北尾トロはいい。

最初に読んだ「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」ほどの衝撃はないが、いつものシンプルかつ直接的な視点が素敵だ。誰も心では思っているけどなんとなくできないことを勇気を出してやるというこの企画はすごくおもしろかった。
初恋の女の子に20年ぶりに告白にポエムの朗読会参加、まずいそばやにまずいと言う、42歳で他に職務経験なしのフリーライターが就職活動するなど。いやいやなかなかできんでしょう。
最後にある逃亡した後輩フリーライターの追跡捜査は題名と関係ない話だけど一番面白かった。こんなこと本当にあるんだね。自分がいる世界ってつくづく平和だなと思った。


同じようなポジションにリリーフランキーがいるが、北尾トロはもっとトピックが突っ込んでいてちがった面白さがある。どっちとも誰にでもある心理を飾らずに書いているところが魅力だ。