バカの壁
今更読む。
日本人の多くは、ロジカルループをずっと突き詰めていくという作業を放棄し、与えられた情報を鵜呑みにし、それをあたかも変えられない/変わらない真理や事実として受け止める傾向にあるという。それをやめ、様々な物事を自分で考えていくことにこそ、バランス感覚のとれた健全な考え方という発想のもと、養老さんによるいくつかの事例を出しているというのがこの本。
この発想は好きだ。昔どこかの誰かが、世の中にある"絶対"は"人は必ず死ぬ"だけだと言っていたが、それと同じような発想。
養老さんの考えは面白い。合点がいかないものもあるけど、そういう手もあるのかという感をいだく。
前半の飛ばしから、途中脳の話で中だるみはあるが、後半原理主義、一元論の危うさとそれによる考えの不完全さを力説。これも面白いね。
後、イデアという概念はおもしろい。人もリンゴもすべてそれを指し示す完全体は現実には存在しない。しかしそれを扱うために現れた概念。なんかクラスみたい。
- 作者: 養老孟司
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/04/10
- メディア: 新書
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