新しい資本主義

今の金儲け資本主義は株主ばかりで偏っており、貧富の差を拡大し、労働者を酷使し、環境を破壊するダメダメのものである。これからは公益資本主義と著者が銘打つ、企業活動を通じて株主だけではなく、地球全体に対して貢献するやり方こそ、ふさわしいとのこと。
公益資本主義とは要は新しい技術をもとに貧困や環境破壊などの問題をNGOのようにお金や物資を提供するばかりではなく、利益を挙げつつ、解決していくという考え方。

原さん自身がまずは自分の会社でいくつかのプロジェクトをトライし、良ければそれを社会に啓蒙するんだということで、事例が書かれている。

この考え方は、基本的に自身が金銭的にある程度豊かであることで成り立つ、ハリウッドセレブがボランティアに走る的感覚があるが、技術革新を元に世の中を良くするという発想自体は輝かしく、それこそがあるべきだと同意できる。


職業柄、どうしても技術革新というと"情報産業の中で"という前提がついて考えてしまいがち。でもこの業界も出てきてまだ100年経ってないんだし、そう考えると、それを飛び越えて考えることがまずは自分には必要だなと思わせてくれる。


今のご時世にマッチしたテーマの本だなと思います。

新しい資本主義 (PHP新書)

新しい資本主義 (PHP新書)